著作物に関する法律

著作者

著作者

著作物を創作する者をいう。
共同著作物については、共同で創作に寄与した者全員が一つの著作物の著作者となる。

法人著作

(職務著作)

次の五つの要件をすべて(プログラムの著作物については(4)を満たさなくともよい)満たす場合には、法人等が著作者となる。

(1)法人等の発意に基づき作成されるもの。
(2)法人等の業務に従事する者により作成されるもの。
(3)法人等の従業者の職務上作成されるもの。
(4)法人等の著作名義の下に公表するもの。
(5)法人内部の契約、勤務規則等に、別段の定めがないこと。

著作者人格権

公表権

自分の著作物で、まだ公表されていないものを公表するかしないか、するとすれば、いつ、どのような方法で公表するかを決めることができる権利。

氏名表示権

自分の著作物を公表するときに、著作者名を表示するかしないか、するとすれば、実名か変名かを決めることができる権利。

同一性保持権

自分の著作物の内容又は題号を自分の意に反して勝手に改変されない権利。

著作権(財産権)

複製権

著作物を印刷、写真、複写、録音、録画などの方法によって有形的に再製する権利。

上演権

演奏権

著作物を公に上演したり、演奏したりする(上演、演奏の録音物を再生することを含む)権利。

上映権

著作物を公に上映する権利。

公衆送信権

公の伝達権

著作物を自動公衆送信したり、放送したり、有線放送したり、また、それらの公衆送信された著作物を受信装置を使って公に伝達する権利。

自動公衆送信とは、サーバーなどに蓄積された情報を公衆からのアクセスに応じ自動的に送信することをいう。
また、そのサーバーに蓄積された段階を送信可能化という。

口述権

言語の著作物を朗読などの方法により口頭で公に伝える(口述の録音物を再生することを含む)権利。

展示権

美術の著作物と未発行の写真の著作物の原作品を公に展示する権利。

頒布権

映画の著作物の複製物を頒布(販売・貸与など)する権利。

譲渡権

映画以外の著作物の原作品又は複製物を公衆へ譲渡する権利。

貸与権

映画以外の著作物の複製物を公衆へ貸与する権利。

翻訳権

翻案権など

著作物を翻訳、編曲、変形、翻案等する権利(二次的著作物を創作する権利)。

二次的著作物の利用権

自分の著作物を原作品とする二次的著作物を利用(上記の各権利に係る行為)することについて、二次的著作物の著作権者が持つものと同じ権利。

所有権

所有権

特定の物を自由に使用・収益・処分できる権利のこと。
これは民法で定義されており、所有権は時効によって消滅することはない。
債権を担保する権利である担保物権や、他人の土地を使用して利益を得る権利である用益物権は物の一面的な支配権だが、所有権は物の全面的な支配権とされる。

・全著作権所有(all rights reserved)

著作権表示に用いられる文言で、「(著作権者が、著作権法で規定されている)全ての権利を留保している」という意味。
1910年のブエノスアイレス条約に由来するが、どの法域でも法的効力を持つかどうかは不明確。

・パブリックドメイン

著作物や発明などの知的創作物について、知的財産権が発生していない状態または消滅した状態で、その財産権が誰にも帰属せず社会全体で共有されている。

・クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

インターネット時代のための新しい著作権ルール。
作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません。」という意思表示をするためのツール。

表示

原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示することを主な条件とし、改変はもちろん、
営利目的での二次利用も許可される最も自由度の高いCCライセンス。

表示

継承

原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、改変した場合には元の作品と同じCCライセンス(このライセンス)で公開することを
主な条件に、営利目的での二次利用も許可されるCCライセンス。

表示

改変禁止

原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、かつ元の作品を改変しないことを主な条件に、
営利目的での利用(転載、コピー、共有)が行えるCCライセンス。

表示

非営利

原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、かつ非営利目的であることを主な条件に、
改変したり再配布したりすることができるCCライセンス。

表示

非営利

継承

原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、かつ非営利目的に限り、
また改変を行った際には元の作品と同じ組み合わせのCCライセンスで公開することを主な条件に、
改変したり再配布したりすることができるCCライセンス。

表示

非営利

改変禁止

原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、かつ非営利目的であり、そして元の作品を改変しないことを主な条件に、
作品を自由に再配布できるCCライセンス。

掲載元:https://creativecommons.jp/licenses/

・NFT(non-fungible token:非代替性トークン)作品について

創作

譲渡

利用

再譲渡

作者

(既存)

著作者人格権

著作権

所有権

著作者人格権

著作権

著作者人格権

著作権

著作者人格権

著作権

購入者

(既存)

ーーー

所有権

所有権

所有権

作者

(NFT)

著作者人格権

著作権

著作者人格権

著作権

著作者人格権

著作権

著作者人格権

著作権

購入者

(NFT)

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ーーー

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掲載元:https://www.businesslawyers.jp/articles/977

制作を依頼した場合、契約によって異なるが所有権は購入者に帰属するのが望ましい。

NFT作品は民法上、物に該当しないので所有権は発生しない。

著作権者の公衆送信権は、譲渡されたNFT作品にも及ぶ。

著作権者の複製権は、譲渡されたNFT作品にも及ぶ。

著作権者の展示権は、あくまで有体物である「原作品」よって公衆に提示する権利であるため、譲渡されたNFT作品には及ばない。

譲渡(販売)されたNFT作品の利用については、関係当事者間(著作権者、購入者、再購入者)の取り決め(契約)に従うことになる。

日本の著作権法では「追及権」が認められていないため、既存作品の著作権者は再譲渡の利益分配を受けることはできない。(例:中古販売)

無体物であるNFT作品の譲渡には、譲渡権が働かない。

複製権は再譲渡された場合であっても、NTF作品は複製されていないと考えられる。

NFT作品の再譲渡の場合には既存作品と異なり、再譲渡自体については著作権者の著作権が及ばない。

しかし、NFT作品がインターネット上で一般にアクセス可能な状態である場合には、著作権者の公衆送信権の対象となる。

従ってNFT作品の再譲渡については、保有者や再譲渡を受ける者の利害と著作権者の利害との調整を関係当事者間で取り決める必要がある。