Cubase 11 オートメーション

「オートメーションの概要」

Cubaseの様々なパラメーター(ボリュームフェーダー、パン、プラグインエフェクトのつまみなど)は、値を設定すると曲の頭から最後までそれが適用される。
これらを、曲のシーンに合わせて途中で変化させるのが、オートメーションという機能。
イベントを切ってボリュームを上げ下げするなどの方法とは根本的に違い、イベントのボリューム調整は、録音した直後などにざっくりと音量差を縮めたい場合に用いるが、オートメーションはプラグインなどの処理後にさらに細かく音量を追い込みたい場合に用いる。
オートメーションは、バイパスだけでなく、エフェクトやシンセのほぼ全てのパラメーターで行うことができる。
各オートメーショントラックには、それぞれRボタンがついており、プラグインのオートメーションについては個別にオンオフできるが、ボリュームやパンなどのトラックのオートメーションは全て連動している。
トラックのオートメーションを個別にオフにしたい場合は、こちらのオートメーションミュートを使用する。
上にあるRボタンで、全トラックのオンオフも可能だが、オートメーションミュートはこの影響を受けないようになっている。


「ボリュームオートメーションの書き込み」

・トラックの左下にあるオートメーション表示ボタンで、オートメーショントラックを表示する。

・この部分が「ボリューム」になっていることを確認。

・その横にある数値は、現在のフェーダー音量と一致しており、このトラックに表示されている直線の高さが、その数値を表している。

・この線を部分的に上げ下げすることで、ボリュームを時間に沿って変化させる。

・ボリューム変化させたい箇所のオートメーションの線に対しカーソルを持っていくと自動的に鉛筆に切り替わり、クリックすることでオートメーションイベントを作成することができる。

この際、スナップが有効になっていると、その単位でしか動かせなくなるので、細かく書き込みたい場合はスナップをオフにしておく。

・オートメーションイベントを3つほど書き込み、1つを上下ドラッグすることで、部分的に上げたり下げたりといったことができる。

その際、カーソル横に出る数値は、今どの程度上げたり下げたりしているかの、相対的な数値。

・オートメーションイベントを2つ書き込んだ際、その中間地点の上あたりにひし形のハンドルが表示されるので、これを上下ドラッグすると、その2点を境として囲まれた範囲が一気に上下される。


「オートメーションの編集」

2点の高さの違うオートメーションイベントをずらすと傾斜ができ、傾斜の途中にある丸いハンドルをドラッグすると、直線が湾曲し、音量が上下するニュアンスをコントロールすることができる。

・オートメーションイベントを削除したい場合は、クリックして選択し、デリートキーを押下。(複数選択して削除することも可能)

・オートメーションイベントを選択すると、情報ラインにそのパラメーターが表示されるので、ここに値を入力することで、正確なボリュームとすることができる。

・オートメーションを書き込むとトラックのRボタンが自動的に点灯するが、これをクリックして消灯すると、オートメーションが無効になる。

その際、再生カーソルの位置の値で固定される。

・オートメーションが有効なパラメーターは、手動操作ができなくなるので、フェーダーを操作しても、必ずオートメーションで設定した音量に戻ってしまう。

この状態で、全体のボリュームを上げ下げしたい場合は、オートメーショントラックを右クリックし、「トラック上の全てのイベントを選択」を選択し、いずれかのイベントをドラッグして上下させると、全てが連動して動く。(このドラッグ中に、Commandキーを入れると、横にずれない。)


「プラグインエフェクトのオートメーション」

イベントの途中で一箇所だけプラグインをかけたい場合、通常時はバイパスにしておき、かけたい部分だけバイパスを解除する、というオートメーションが必要になる。


<方法1>

・バイパスボタンを右クリックし、表示されたメニューから「”バイパス”オートメーショントラックを表示」を選択する。

・バイパスボタンのオートメーショントラックが追加されるので、ここにオートメーションを書き込む。

オンオフ式のボタンの場合、最大値でオン、最小値でオフになる。


<方法2(リアルタイム操作)>

・プラグイン画面のWボタンをクリックして点灯させ、再生しながら操作を行うことで、その操作をそのまま記録することができる。

自動的にオートメーショントラックが追加され、記録したパラメーターが表示される。

タイミングなどを間違えた場合、手動で調整することも可能。

・書き込みが終了したら、Wボタンは消灯しておく。

点灯したままだと、再生中の操作が全て記録されてしまう。


「ツマミやボタン値を直接記憶する」

<オートメーション書き込みモード>

・タッチ

楽曲再生中に目的のツマミを触ることで記録が開始される。
ツマミを触っている間だけオートメーションが記憶され、離した後は元の値に値が戻る。
その後のデータは書き換えられないため、一部分を修正する場合に向いている。


・オートラッチ

楽曲再生中に目的のツマミを触ることで記録が開始される。
ツマミを触っている間だけではなく、離した後も最後の値を維持し書き込みを続ける。
以前のオートメーションデータは削除される。
再生を停止すると元の値に戻る。


・クロスオーバー

書き込み後に、既存のオートメーションデータへの戻る動きを手動で書き込む事ができるモード。
1度ツマミから手を離した後、既存のオートメーションへ向かって再度ツマミを調整する。
手動で既存のオートメーションへ近づけていき、既存のオートメーションの位置に達したところで、書き込みが終了する。
楽曲再生中に目的のツマミを触ることで記録が開始される。
離した値でもパラメータは維持される。
既存のオートメーション値と重なると、書き込みが終了する。


<オートメーション書き込み方法>

・「タッチ」「ラッチ」「クロスオーバー」から好みのモードを選択する。

・記録したいオートメーション項目の「W」マークを点灯させる。

・再生し、書き込みを行いたい場所で、ツマミを触り、書き込みが終わったら停止する。

書き込み後は、ミスによる書き込みを防ぐためにトラックの「W」を外す。


<オートメーションの削除方法>

「選択ツール」へ切り替え、 削除したい部分を選択後に、「Delete」キーもしくは「BackSpace」キーを押下。


<オートメーションの一時停止>

・全てのオートメーションを停止する場合は「R」を消灯させる。

・一部の項目を停止したい場合は「停止ボタン」を点灯させる。

 

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