・L3は音圧を割れず綺麗にを上げつつも、音作りをメインに考えられたモデル。
・5バンドのマルチバンドマキシマイザーとして使える。
・その他の基本的な機能はL2の機能を受け継いでいる。
「L1やL2との違い」
L2がもっとも味付けがない自然な音圧レベル上げを目的として作られていて、L3ではマルチバンドに対応したため、周波数帯域ごとに圧縮量を変えたりと音作りをメインに考えらたモデルになっている。
L1 |
L2 |
L3 |
|
リリースタイム |
手動のみ |
ARC 手動 |
ARC 数種のプリセット 手動 |
味付け |
自然 |
味付けがなく自然 |
多少 |
圧縮時の割れ |
多い |
少ない |
少ない |
マルチバンド |
非対応 |
非対応 |
対応(5バンド) |
低レイテンシー |
非対応 |
非対応 |
低レイテンシ版あり |
適したジャンル |
生楽器 |
生楽器 |
生楽器 ~ EDM |
「スレッショルドの設定」
スレッショルドを下げることによって、圧縮量が増えてどんどんダイナミックレンジが狭くなり、音圧を上げていくことができる。
「Priorityによる周波数ごとのスレッショルド設定」
L3 Multimaximizerでは、各バンドごとのスレッショルド値を個別に上げたり下げたりすることができるので、最初に設定したスレッショルド値を周波数帯域ごとに上げるか、下げるかを個別で設定できる。
「周波数ごとのGAIN(音量)の設定」
Gain(音量)を上げ下げすることによって、周波数ごとにEQのような使い方をすることができる。
「PriorityとGainを同時に動かす(リンクコントローラー)」
GainとPriorityの間にある三角形のマークは、Priority(スレッショルド)とGain(音量)を同時に動かせる機能。(リンクコントローラー)
ゲインを上げるとスレッショルドも上がって圧縮量が減ったり、ゲインを下げるとスレッショルドも下がって圧縮量が増えるという機能。
「OUT CEILINGの設定(出力の最大値)」
Out Ceilingでは、圧縮後の最大出力音量を設定。
出力の最大値はデフォルトでは0dBになっているので、少し余裕を持たせて-0.2~0.3程度に設定しておく。
「スレッショルドとOUT CEILINGをリンクして動かす」
「スレッショルドバー」と「OUT CEILINGバー」の中央にある三角のマーク(リンクコントローラー)をクリックして上下に動かすと、2つのバーをリンクした状態で動かすことができる。
音量を保ったまま圧縮のみを行いたい場合に便利な機能。
「バンド毎のリリース設定」
周波数帯域ごとにリリースタイムを変えられる。
例えば、低音はタイトに高音は伸びのある音に仕上げるような設定が簡単にできる。
「Master Release」
各バンドごとのリリースを総括して設定する項目。
ARCをはじめとして様々なタイプごとの補正を選択することができる。
また、Master Releaseの右側に小さく上下に並んだ三角形のボタンをクリックして上下に動かすことで、5バンドのリリース値全てを増やしたり減らすことができる。
「バンド帯域(Xover)の設定」
L3 maltimaximizerでは、5バンドの周波数帯域を好きなように変えられる。
周波数は4本の線で区切られていて、それぞれの周波数の数値(Hz)は中央に表示されている。
周波数を動かしたい時は、直接線をクリックして動かすこともでき、数値をクリックして左右に動かすことでも変えられる。
「Separation(周波数帯域のクロスオーバー)の設定」
各周波数帯域のクロスフェード量の設定。
数値が大きいほど重なり部分は少なく、数値が小さいほど重なる部分が多くなる。
「SOLOボタンの活用」
SOLOボタンを押すと、その周波数帯域の音のみを再生することができる。
例えば、左側2つだけをONにしておくと、低音のみを聴きながら調整していくことも可能。
「ATTEN(全体の圧縮量)の確認」
L3 Multimaximizerは、マルチバンドマキシマイザーなので圧縮量は右側のバンド部分で確認するのがメインになり、左側にある「ATTEN」で全体の圧縮量を数値(dB)で確認することができる。
「IDRの設定」
IDRは「Increased Digital Resolution」の略でデジタル解像度を増やすという意味。
IDRでは、24bitや16bitなどの解像度ごとに生じる情報の欠損を、ノイズによる解像度補完を行ってハイレゾのように滑らかに繋いでくれる。
QUANTIZEの部分は、書き出すbit数に合わせて、DitherとShapingは、ミックス段階では「None」に設定しておく。