Waves L2 Ultramaximizerの使い方

高い音圧が求められていた最盛期時代、とにかく音をクリアに大きくするために技術を詰め込んだWAVESリミッターの完成形とも言えるモデル。
リミッターといえば、単純に0dBを超えた音をまっ平らに潰すだけのものだが、L2では音を綺麗に圧縮して音圧をクリアに持ち上げるマキシマイザーとしての効果が絶大。
また、ARCAuto Release Control)というリリースタイムを人の耳に自然に聞こえるように自動で調整してくれる機能が備わっているので、ARCONにするだけで簡単に音圧を上げられるようになっている。
さらに、L2 にはbit数を指定して書き出す際に、音が劣化しないように滑らかに繋いでくれるディザリング機能(ぼかし機能)がついている。
ビット数を落とすとそれだけ波形がカクカクになるのだが、その本来情報がない場所をノイズでぼかして繋ぐことで滑らかにしてくれる機能。

・音をクリアに大きくするために作った技術の完成形。

・リミッターとして音のピークが、絶対に0を超えないようにする働き、レベルマキシマイザーとして音を自然で綺麗に持ち上げるように設計されている。

ARC(Auto Release Control)というリリースタイムを自動で最適に調節してくれる。

・マルチバンドではなく全ての帯域が均等に圧縮される。

・書き出すビット数に応じた最適なディザリングを行ってくれる。(ディザリングとは、音の劣化を最小限に防ぐための処理で、滑らかに仕上がる。)

 

L1L2との違い」

L2がもっとも味付けがない自然な音圧レベル上げを目的として作られていて、L3ではマルチバンドに対応したため、周波数帯域ごとに圧縮量を変えたりと音作りをメインに考えらたモデルになっている。

L1

L2

L3

リリースタイム

手動のみ

ARC

手動

ARC

数種のプリセット

手動

味付け

自然

味付けがなく自然

多少

圧縮時の割れ

多い

少ない

少ない

マルチバンド

非対応

非対応

対応(5バンド)

低レイテンシー

非対応

非対応

低レイテンシ版あり

適したジャンル

生楽器

生楽器

生楽器 ~ EDM

 

 

「スレッショルドの設定」

スレッショルドを下げることによって、圧縮量が増えてどんどんダイナミックレンジが狭くなり、音圧を上げていくことができる。

 

OUT CEILINGの設定(出力の最大値)」

OUT CEILINGでは、出力の最大値を設定する。
例えば、この値を「-0.2」に設定すると、出力される音量を-0.2dB以内におさめることができる。

 

「スレッショルドとOUT CEILINGをリンクして動かす」

スレッショルドバー」と「OUT CEILINGバー」の中央にある「◀ ▶」マークをクリックして上下に動かすと、2つのバーがリンクした状態で動く。
音量を保ったまま圧縮のみを行いたい場合に便利な機能。

 

「リリースタイムの設定」

リリースタイムをms(ミリ秒)で設定することができる。
下の「ARC」が青く点灯しているときは、オートリリースタイムがONになっている。

 

ATTEN(圧縮量)の確認」

ATTENは「attenuation(アテニュエーション)」の略で、減衰という意味。
このメーターでは今、何dB分が圧縮(減衰)されているのかを確認することができる。

 

IDRの設定」

4bit16bitなどの低い解像度でも、ノイズによる解像度補完を行ってハイレゾのように滑らかに繋いでくれる。QUANTIZEの部分は、書き出すビット数に合わせて、DitherShapingは、ミックス段階では「None」に設定しておく。

 

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