占術の現実的な使用方法

当たるも八卦、当たらぬも八卦。

占いは、とかく神秘的で目に見えない特殊能力のように解釈されがちで、ましてや恐怖心を煽られて何の科学的根拠もない商品を購入させられれば尚更、スピリチュアルに対して不審感は募る一方だと思います。

そんな胡散臭さ満載のスピリチュアルの世界ですが、もし科学的・学術的に解析しその効力を証明できれば、とても有用なツールになり得ると思います。

そこで、占い(占術)について解析しようと思います。

まず、占術は以下の3種類に分類されます。

・命術

・卜術

・相術

それでは、この3種類の定義を細かく見てみましょう。

 

●命術(めいじゅつ)

生年月日や出生地など生まれた時に定められた不変的な情報をもとに占いを行うもの。

不変的な情報であるが故に、占いの基盤となる命式・ホロスコープなどの情報は何度占っても変わらない。

そのため命術は、生まれ持った性質や才能など先天的な特徴や訪れる運命・宿命・運勢といったものを占うのに適している。

例として、四柱推命、九星気学、西洋占星術、数秘術、算命学、宿曜占星術などが命術に含まれる。

 

●卜術(ぼくじゅつ)

偶然性に必然性を見出す占い。

タロット占いや易のように何か特定の情報には基づかず、質問に対して何のカードが出たか?、何の卦(け)が出たか?により答えを導いていく占い。

一般的にその人の性格や大きな運命など変化が少ない事を占うのには適さない。

命術では占いづらい時間とともに移ろいでいく人の気持ちや、直近の運勢、行動の吉凶など刻々と変化する状況に関することやアドバイスを求めることに適している。

例として、タロット占い、ルーン占い、易・断易、マンデン占星術、ホラリー占星術、六壬神課(りくじんしんか)などが卜術に含まれる。

 

●相術(そうじゅつ)

ものの相(カタチ)・様から占いを行うもの。

カタチをもとに占いを行うため家相であれば、家具の配置や色をうまく使い相を変えていくことができる。

風水を利用しての開運は、これに当たる。

姿を変えることで開運していくことが出来るという特徴がある。

例として、風水、姓名判断、手相学、人相学、人相占い、印相学、地相、家相、名刺相、表札相などが相術に含まれる。

 

では、命術に関して解析してみましょう。

定められた不変的な情報をもとに運命を導き出すこの手法は、西洋占星術を例にすると天体の移動・配置情報からこの先、起こり得る運命を導き出す手法で、天体の移動・配置情報は天文学的に概ね定められた情報であり、それをもとに様々な人の運命を導き出す手法は統計学に近いものがあります。

統計学は、ある一定数以上のバラツキのあるデータの性質(様々な人の運命)を調べたり、大きなデータ=母集団(様々な人の運命)から一部(不変的な情報=誕生日など)を抜き取って、その抜き取ったデータ(不変的情報)の性質(運命)を調べることで、元の大きなデータ(様々な人の運命)の性質(不変的情報と運命の因果関係)を推測したりするための方法論を体系化したもので、このように捉えると命術は統計学と同様に学術的に確立された理論ではないかと思います。

勿論、統計学と同様に元となる大きなデータとサンプル(標本)データの数量と質(信憑性)に依存するので、その質量が増せば増すほど占いでも精度が上がるのは同じで、今週のラッキーカラーみたいな精度の低いものから、鑑定士が鑑定する本格的なものとの精度の差が現れるのは、このデータ分析量の差と言えるでしょう。

しかし、この世には不変的情報が全く同じという人も多数存在します。

そうなると、誕生日も生まれた場所も一緒(例えば双子)ならば、運命が同じになるのか?という疑問も当然、発生します。

これは、血液型の種類で性格の違いを判別するものに近いと思います。

血液型と性格の因果関係は、科学的に何の根拠もありませんが、A型=几帳面、O型=おおらかと言ったようなテンプレートが世にこれだけ浸透し、それに合わせるかのごとく無意識的に自分の性格を寄せていけば(刷り込み)、同じような傾向に偏るのは当然で、西洋占星術もライトな文化(星占い)としてこれだけ浸透していればこれに該当し、似たような傾向に偏っていくと考えるのが自然ではないでしょうか。

そう考えると命術は、統計学的に運命を導き出し傾向と対策を図るのに有用なツールとは言えないでしょうか。

 

では次に、卜術について解析してみましょう。

偶然性に必然性を見出すこの手法は、確率論として捉えられるのではないでしょうか。

確率論に関しては、専門家ではないので深く追求できませんし、深く追求したとしてもより複雑化してしまうだけなので追求しませんが、サイコロのように1から6という決まった数字(タロットカードのカードが表す意味)とサイコロを振る回数等の条件(タロットカードを引く前の投げかける質問等)といったルールの中で、偶発的に現れた結果(サイコロの目の数、タロットカードの種類)からゲーム(人生)を進めていく手法として捉えることができないでしょうか。

なので、タロットカードのリーディング結果は、その時の状況や解釈の仕方によって様々な捉え方が出来る抽象的なものが多く、そこに必然性を見出す為の鑑定士のセンスが重要になるのですが、逆に言ってしまうと、命術のように不変的情報をもとにしていない分、感情の移ろいなど可変的な状況に関するアドバイスなどに向いているものなので、リーディング結果を参考にして物事に対して捉え方や感情といった変えられるものを変えていく助言として有用なのではないでしょうか。

いわば、迷っている際の背中を押してくれるような存在と同様に、捉え方を変えて前に進むための方法と言い換えても良いのではないでしょうか。

別の記事でも先述したように、物事は捉え方次第でどのようにでも変えられます。

自分が変われば、自ずと周囲の環境は変わります。

その為の手法と捉えれば、さほど非現実的ではなく、現実的に有用なツールだと思います。

 

では最後に、相術について解析してみましょう。

これは、人相や家相(快適な空間)をイメージすれば解りやすいのではないでしょうか。

例えば、料理を食べている時に言葉でどれだけ美味しさを表現をしたとしても、表情がそれほどでもない場合、さほど美味しさが伝わらないのと同様に、どれだけ言葉を尽くしても表情には敵わないという一例です。

また、服装や部屋のインテリアのように身の回りの環境を変えることで、自分の快適な空間を意図的に作り出し、気持ちを上げることで前向きな思考に切り替え、ポジティブな結果を招くといった手法に似ているのではないでしょうか。

余談ですが、私は超潔癖症なので、部屋が汚れてくると心も荒んで退廃的な言動をすることもしばしばありました。

逆に言うと、部屋を清潔に保っていれば、身も心も健全に保てることも解っていたので、病的な潔癖症はとても面倒くさくて疲れるのですが、極力、身の回りの環境を清潔に保つように努めていました。

 

まとめると、この3種類の占術を以下のように使い分けられます。

<命術>

自己分析をし、大まかな流れを読み、行動指針をたてる。

<卜術>

偶然性に必然性を見出す作業は、今までなかった視点(潜在意識)を顕在意識に降ろす作業でもあるので、そして、顕在意識に降りたものは物質であるので現実化可能でもあるので、ポジティブな未来を創り出す手段として有用。

<相術>

相を意図的に変えることで、感情的な自己管理を行い、ポジティブな方向へと意識転換を計る。

 

これらの解析結果から、占術は適正に扱えば、自己分析をして人生を優位に運ぶ為の手段として、そして、気持ちをポジティブに切り替えて前に進む為、そして、未来を創造するのに有用な手段となり得るので、活用すればより豊かな人生を望めます。

勿論、占術に頼り切って何の努力もしなければ、現実逃避の手段として機能するだけで、現状は何も変わりません。

人生は、自分の力で創作していく、自分主人公のドラマのようなものですから、占術を上手く活用し、自分の望むシナリオを描いていけば良いのではないでしょうか。

勿論、そのドラマの監督も自分自身です。