ディエッサーは、狭い帯域のみを圧縮できるコンプレッサーで、金物などの高音楽器に含まれる耳が痛くなる耳障りの音やボーカルの歯列音を削るのに有用。EQを使用すると、その周波数帯域が少ない場合にも、常に指定した周波数が一定量削られるのに対し、ディエッサーを使用すれば、音量が小さい時には削らず、自然な状態を残しつつ、音量過多になった時だけ余分なものをカットすることができる。
「圧縮する周波数」
「Frequency(Freq)」と書かれた部分で圧縮する周波数を設定する。
・DeEsse:Frequency
・RDeEsser:Freq
「スレッショルドとリダクション」
つまみの右横にある青い縦バーが現在流れている音量で、左のつまみの値がしきい値(スレッショルド)で、この値を超える音量が流れると圧縮される。真ん中の赤い縦バーは、圧縮量(リダクション)で、「-3」あたりまで赤い縦バーが伸びていれば、3dB分圧縮されているということを示す。
「モード」
・DeEsse:Audio
・RDeEsser:Mode
<Splitモード>
通常モード。
Freqで指定した周波数帯を圧縮する。
<Wideモード>
通常のコンプレッサーと同様に全ての帯域を圧縮してしまうので、ディエッサーとしては使用できない。
「バンドタイプ」
・DeEsse:SideChain
・RDeEsser:Type
<シェルビングタイプ>
指定した周波数よりも高い周波数を全てカットする。
<ピーキングタイプ>
指定した周波数の周辺帯域のみを圧縮する。
【ディエッサーの使い方】
「1. バンドタイプとモードを設定する」
・バンドタイプ:シェルビングタイプ、ピーキングタイプ
・モード:Splitモード、Wideモード
「2. スレッショルドを下げる」
周波数を探す前に仮でスレッショルドを下げ、圧縮されている音を聴ける状態を作る。
「3. 不快な周波数を探す」
Frequency(Freq)を動かして、圧縮されている状態で不快な音が一番消える周波数を探す。
圧縮量が少ない場合は適宜、スレッショルドの調節も同時に行う。
「4. スレッショルドの再調整」
周波数まで決まったら、最後にスレッショルドを再調整して、不快な音をどの程度圧縮するかを決める。