Cubase 11 マスターエフェクト

ミキシング後にStereo Outのトラック(マスタートラック)で行う処理。
マスターエフェクトで必須ともいえる処理が音圧の管理。


「リミッター
/マキシマイザー」

Stereo Outは全ての音の出口となるので、ここでクリップ(音割れ)することは絶対に避けなければいけない。
ミックスする際は-6dB程度の余裕を持たせる。
これはざっくりとした目安であり、ごく瞬間的なピークとして0dBを超えることはありえる。
それを防いでくれるエフェクターを一般的にリミッターと言う。
リミッターはどんな瞬間的なピークも漏らさずに制限し、クリップを防いでくれる。
リミッターの役割も果たしながら、最終的な音圧調整を行えるのがマキシマイザー。

マキシマイザーの後ろには、EQやコンプなどの音量に影響を与えるエフェクトは入れない。


「マキシマイザーによる音圧上げ」

-6dB程度の余裕を持たせたミックスは、そのまま書き出すと、一般に流通している音源に比べてかなり小さく聞こえることがある。
そこで音量の上限を決めながら音圧の底上げを行い、楽曲の聴こえ方を大きくする必要がある。

Outputでリミッターをかける上限値を決める。

0dBを超えてはいけないため、当然0以下だが、一般的には-0.1-0.3程度余裕を持たせるのが良い。

・上限値が決まったら、Optimizeを上げることで、音圧の底上げを行う。

上限値を越えれば、その分は強引に抑えられるが、楽曲全体のダイナミクスが失われ、パンチのない平坦なミックスになってしまいう。

GR(ゲインリダクションメーター)で、どの程度の音量が上限を超え、押さえ込まれているかを確認する。

できれば-3dB程度、多くても-6dB程度以内にとどめておくのが無難。

常に-10dB出ていて動かない、といった場合は、明らかに音圧を上げすぎてダイナミクスが潰れている状態。


「音圧の指標:
RMSとラウドネス」

RMSという数値は、瞬間的な音量まで正確に示すピークメーターと違い、平均的な音量を示すため、聴感的な音量=音圧を計測する際によく用いられる。
マキシマイザー内にも表示されているが、Cubaseの右ゾーンのメーターで見るとわかりやすい。
メーターの下に「最大RMS」「最大ピーク」と出ている。

RMSの目安は、市販のCD程度の音圧を目指す場合、-10dB程度とするのが一般的。

ジャンルによってそれ以上に高い音圧の音源もあるが、多くの場合上げすぎると弊害の方が大きくなる。

・下のタブで、「マスター」から「ラウドネス」に切り替えると、配信用の音圧の目安=ラウドネスという基準が表示される。

YouTubeSpotifyへアップロードする際に最適な音圧は、Integratedの数値が-14LUFS

計測するには、スイッチをONにして、その隣の部分がもしLUとなっていたら、LUFSに切り替える。
そして、再生すると数値が表示されるが、Integratedを正確に計測するには、楽曲を最初から最後まで再生する。
RMS-10dB辺りを狙ったものの場合、-14LUFSよりも大きくなることが多いので、マキシマイザーのOptimizeを下げて調整する。

 

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