Waves H-EQの使い方

「H-EQとは?」

5つのバンドパスとハイパス、ローパスを備え、アナライザー画面で周波数を目で確認しながらEQを調節できる便利なイコライザー。
バンドごとに7種類のフィルタタイプが用意されていて、アメリカのビンテージタイプからイギリスビンテージ、アメリカ近代、イギリス近代、デジタル2タイプと時代背景に合わせた豊富な音作りにも対応。
「左右に分けてEQを掛けるモード」や、MS処理のための「M(Mid)とS(Side)に分けてEQを掛けるモード」も用意されている。

 

 

「アナライザーセクション」

EQバンドの設定値の他、H-EQに入力された音(黄色)やH-EQによって加工された出力音(水色)が表示される。

 

・アナライザー全体の表示/非表示を切り替える

アナライザー画面左下部分「SHOW」をクリックすると、表示されているすべてのアナライザーの表示/非表示を切り替えることができる。

 

・入力アナライザーの表示/非表示を切り替える

アナライザー画面左下部分「IN」をクリックすると、入力(黄色)のアナライザーを表示したり非表示にすることができる。

 

・出力アナライザーの表示/非表示を切り替える

アナライザー画面中央下部分「OUT」をクリックすると、出力(水色)のアナライザーを表示したり非表示にすることができる。

 

・ステレオモードの時はL、MSモードの時はMidの表示/非表示を切り替える

アナライザー画面中央下部分「L / M」をクリックすると、ステレオモードではL(左側)、MSモードの時はMidを表示したり非表示にすることができる。

 

・ステレオモードの時はR、MSモードの時はSideの表示/非表示を切り替える

アナライザー画面右下部分「R / S」をクリックすると、ステレオモードではR(右側)、MSモードの時はSideを表示したり非表示にすることができる。

 

・アナライザーをフリーズさせる

再生中にアナライザーをフリーズ(固定)させたい箇所で、アナライザー画面右下部分「FREEZE」にチェックを入れると、その時点のアナライザーが固定された状態で止まる。

 

・ピークホールドボタン

アナライザー画面右下部分「PEAKHOLD」にチェックを入れると、周波数ごとのピーク値(最も音量の大きい箇所)を濃い青色のラインで表示することができる。

 

 

「EQセクション」

EQの操作画面。(バンドのモードやフィルターの種類、Q値やGAINを設定)

 

・ハイパスフィルターとローパスフィルター

一番左側の小さな領域は低音をカットするための「ハイパスフィルター」、一番右側の小さな領域は高音をカットするための「ローパスフィルター」。

 

・バンドパスフィルター

中央部分の5つは、バンドパスフィルターの操作画面。
紫と赤色のバンドのみ「シェルフバンド」に切り替えることができる。

 

・バンドのON/OFFボタン

上部各色のボタンで、バンドのフィルターのON/OFFを切り替えることができる。

 

・バンドパスとシェルフを切り替え

紫色と赤色のバンドのON/OFFボタンの右横にあるボタンで、「バンドパス」と「シェルフ」モードを切り替えることができる。

 

・フィルタータイプを切り替える

「バンドのON/OFFボタン」の下にあるボタンで、フィルターのタイプを切り替えることができる。

 

・周波数を指定する

フィルタータイプの切り替えボタンの下にあるボタンで、各バンドの周波数を設定できる。

 

・Q値を設定する

周波数を指定するボタンの下にあるツマミ(小)で、帯域幅(Q値)を設定できる。

 

・GAINを設定する

中央部分の5つだけにあるツマミ(大)で、Gain(音量)を設定してどのくらいカットするか、持ち上げるかなどを設定できる。

 

 

「モードセクション」

ステレオモードで使用するか、MS処理モードで使用するかを設定。

 

・ステレオモード/MS処理モードの切り替え

[MODE]下のボタンで切り替える。

 

・リンク・セパレートボタン

モード切り替えボタンの下の鎖のマーク。
リンクを入れる(ONにする)と、ステレオモードではLとR、MSモードではMとSがリンクされる。(デフォルトではON)
リンクを外す(OFFにする)と、橙色1本だったEQグラフに加え、新たに緑色のEQグラフが表示され設定値が分かれていることがわかる。

 

・左・右、M・Sの切り替えボタン

リンクがOFFになっているとき、ステレオモードの時は「L/R」の切り替え、MSモードの時は「M/S」を切り替えることができる。

 

 

「アナログセクション」

複数の実機のアナログ質感をシミュレートすることができる。

 

[ANALOG]

シミュレートしたい機種を選択。

・US Vintage:Pultec EQをシミュレート。
・UK Vintage1:Neve 1073をシミュレート。
・UK Vintage2:Neve 1081をシミュレート。
・US Modern:API EQをシミュレート。
・UK Modern:SSL EQをシミュレート。
・Off:シミュレートはOFF。

 

[LEVEL]

加えるノイズの量を調節。
アナログ機材では、ハムノイズなどのノイズが入るが、その機種特有のノイズをどのくらい加えるかを設定できる。

 

[THD LEVEL]

倍音の歪を加える量を調節。
倍音の歪を加えると、真空管のような温かみのある効果が生まれるが、その歪をどの程度加えるかを設定できる。

 

 

「入力・出力セクション」

・IN:入力セクション(入力する音量)
・OUT:出力セクション(音出力する音量)

 

[Φ](出力セクション)

位相の反転ボタン。
点灯させると出力される音の位相が反転する。

 

 

「フィルタータイプ」(EQセクション&アナログセクション)

<US Vintage モード(Pultec EQタイプ)>

・バンドパスの場合(US Vintage)

Qを変えると幅は変わらずにdB量が変化する。

 

・ハイパス&ローパスの場合(US Vintage)

Qを大きくするとカットする手前側が持ち上がる。

 

<UK Vintage1 モード(Neve 1073タイプ)>

・バンドパスの場合(UK Vintage1)

Qの大きさによってバンドの幅が変化する、最近のデジタルEQに似た動きをする。

 

・ハイパス&ローパスの場合(UK Vintage1)

Qは固定なので動かすことはできない。

 

<UK Vintage2 モード(Neve 1081タイプ)>

・バンドパスの場合(UK Vintage2)

アメリカのビンテージEQと似た動きで、Qの値を変えても幅は変わらず、dB値のみ少しだけ変化する。

 

・ハイパス&ローパスの場合(UK Vintage2)

Qは固定されていて動かすことはできない。

 

<US Modern モード(API EQタイプ>

・バンドパスの場合(US Modern)

Qは固定されていて動かすことはできないので、この緩やかなカーブを活かして使用する。

 

・ハイ&ローパスの場合(US Modern)

Qは固定されていて動かすことはできず、緩やかに掛かる優しさが特徴的。

 

<UK Modern モード(SSLタイプ)>

・バンドパスの場合(UK Modern)

Qを変えるとバンド幅が変化する。

 

・ハイ&ローパスの場合(UK Modern)

Qを増やすとカットする手前側が少しだけ持ち上がる。

 

<Digital1 モード(非対称ベル・カーブ)>

・バンドパスの場合(Digital 1)

Qを変えると前後の周波数が持ち上がるという少し変わった動きをする。

 

・ハイ&ローパスの場合(Digital 1)

Qは固定なので動かすことはできない。

 

<Digital2 モード(スタンダードEQ)>

・バンドパスの場合(Digital 2)

Qによって広い幅からとても狭い幅までバンドの幅を変えることができる。

 

・ハイ&ローパスの場合(Digital 2)

最近のデジタルEQならではの動きで、Qを増やせば崖のようにバッサリとカットすることができる。

 

 

「H-EQのフィルタタイプ」

・US Vintage(Pultec)

全体的に緩やかに掛けたい時、ハイパス&ローパスでカット手前をブーストしたい時、推奨。

 

・UK Vintage 1(Neve 1073)

汎用性がある上に緩やかな性格なので、控えめに使用したい時、推奨。

 

・UK Vintage 2(Neve 1081)

US Vintageと似ているが、微妙にこちらのほうが掛かり方が強め。

 

・US Modern(API)

バンドパス、ハイパス&ローパスともにQ値が固定なので、この機種の特徴を出したい時、推奨。

 

・UK Modern(SSL)

汎用性とハイパス&ローパスの特徴を活かしたい時、推奨。

 

・Digital 1(非対称ベル・カーブ)

非対称のベルカーブは個性の強い音作りに向いている。

 

・Digital 2(スタンダードEQ)

最もスタンダードなEQ。

 

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