Waves Q10の使い方

「WAVES Q10とは?」

最大10バンドのイコライザーで、CPUの負荷を軽減する為に、1~10まで必要なバンド数に応じてQ1~Q10まで選ぶ事が出来る。
各バンドがどれも全ての周波数帯域に設定でき、 Q幅もかなり狭いものから広い範囲を設定する事が可能で、コントロール類も直感的に操作できるようにデザインされているので、かなり自分のイメージに近いイコライジングを行う事が出来る。

 

「使い方」

基本のツマミの役割は一般的なEQと同様。
主に操作する場所は、コントロールセクションで、上部のモニター(グラフィックディスプレイ)と下部のパラメーターは連動しており、行った操作が視覚的に確認出来る。
また、1つのEQは「BAND」「GAIN」「FREQ」「Q」「TYPE」と5つの要素で成り立っており、電源マークを押して任意のEQを有効する。
上部モニターのポインターをクリックする事でも有効に出来る。

・ON/OFF:各バンドのオン・オフ。(黄色点灯時 = ON)

 

<BAND:帯域の操作できるポイント>

上から下に1〜10の番号が割り振られており、番号による性能の違いはないが、番号順で低域から高域になるようにする方が操作しやすい。
10個のBANDがあるが、すべて有効にせずに気になる帯域だけ調整する。

 

<GAIN:増幅量(音量)>

大きく動かすことで音の印象をガラッと変化させることも出来るが、同時に音割れや音痩せする場合もあるので、程々に調整する。
特にミックスやマスタリング段階ではブーストせずにカット中心で行うと、上手くいくパターンが多いです。

・GAIN:EQのかかり具合。(db)

 

<FREQ:周波数>

EQを適用する周波数の中心の値を設定。
人間の可聴範囲外もカバーしている。

・FREQ:EQのかかる中心周波数。(Hz)

 

<Q:適用範囲>

FREQが周波数の「中心」の値を設定出来るのに対して、QはBAND全体の「適用範囲」の値を設定出来る。
数値が大きいほど範囲が狭く、逆に数値が低いほどより広い範囲にEQを適用する。
各楽器の耳障りな音をカットする場合は、Qの値を100にしてピンポイントでカットすると、音作りを変えずに聴き心地の良い音を作る事が出来る。

・Q:TYPEでピーキングを選んだ時に、EQのかかる幅を調整。

 

<TYPE:フィルターカーブの種類>

合計6種類のフィルターカーブを選択できる。
イメージラインの通り、左から「ピーク」「ローシェルフ」「ハイシェルフ」「ローパス」「ハイパス」「プロポーショナル」。
ピークとプロポーショナルなどのバンドパス系はピンポイントで調整する際に有効的。
特にプロポーショナルは、Qシリーズ特有のフィルターでGAINの値に応じてQ値が変動し、より自然なかかり具合になる。
ローパスとハイパスは、それぞれハイカットとローカット。
ローシェルフとハイシェルフは、それぞれなだらかにブーストやカットを行う時に使用するが、使用頻度は少なく、パス系のフィルタータイプで事足りる場合もある。

・TYPE:EQフィルタの種類。(ピーキング、ローシェルビング、ハイシェルビング、ローパス、ハイパス)

 

<INPUT/OUTPUT>

2つのフェーダーは、それぞれ入力音と出力音を-24dB〜+12dBの間で調整できる。
各BANDにおいてGAINブーストを多用すると、全体的な音も増幅してしまうので、特にOUTPUTで音割れしていないかチェックする。
INPUTの「Ø」スイッチにより位相を反転も可能。

※ 位相とは音の波形の周期を指し、反転することによって音の干渉や打ち消しを防ぐ場合がある。

またOUTPUTの「TRIM」スイッチでノーマライゼーションのように、音割れしない限界値まで出力を最大化できる。
「LINK」スイッチは左右のチャンネルを選択して、片方のみに効果を適用することができる。
例えば、ドラムのROOM等の広がりがあって左右の音に偏りがあるトラックを調整するのに適しており、LRのチャンネルを分ける手間が省け効率的。

・INPUT:入力レベルを調整。

・OUTPUT:出力レベルを調整。(クリップサイン)

・PHASE:位相反転ボタン。(通常 + 正相)

・TRIM:クリップした分だけレベルを調整。

・L/Link/R:表示されるグラフを選択。

 

「トラブルシューティング」

Q. インサートしただけで音の印象が変わった。

A.

ステレオトラックにモノラルのQ10をインサートしているかもしれない。
トラックのタイプに合わないQ10を選択すると定位感に影響を与えるので、インサートする際に確認必須。

Q. 便利なショートカットは?

A.

Windows Ctr / Mac Cmdでフィルターカーブの選択を行えるので便利。

 

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