アナログとデジタルの良いとこ取りをしたH-COMPを使えば、これ1台でコンプレッサーとしてはもちろん、トランジェントシェイパーとしてアタック感を整えたり、真空管の歪を加えたり、様々な音の加工が簡単に行なえる。
さらに、1つのトラックでパラレルコンプレッション(コンプの掛かっているトラックと掛かっていないトラックを混ぜること)が実現できる。
・コンプレッサー機能の他、リミッターや真空管による倍音の付加、トランジェントシェイパーの働き、WET/DRYの調整機能など音作りに最適な機能が豊富。
・MIXノブを使えば、1トラックで簡単にパラレルコンプレッションが実現できる。
・Punchノブでは、コンプレッサーで潰しすぎて損なわれたアタック部分の圧縮を開放することで、アタック感を取り戻せる。
・Analogノブでは、倍音を足せるので倍音の温かみを足したい場合や他のトラックとなじませたい場合に適宜モードを選ぶ。
・リリースタイムのテンポシンクロスイッチでは、DAWのテンポや設定したテンポに合わせて自動でリリースタイムを設定してくれる。
・最終的な出力音量は、OUTPUTノブで調整する。
・メーターはIN(入力)、GR(圧縮量)、ONT(アウトプット)から表示を切り替えられる。
・リミッター機能がついていてON/OFFが設定できる。
・1台で手軽に音作りができるH-COMPは、EDMなど頻繁に音色を作り変えるジャンルを製作する際に大活躍する。
「操作画面について」
・一般的なコンプレッサーの操作領域。
・真空管による倍音の付加ノブ。
・トランジェントシェイパーノブ。
・リミッターのON/OFF。
・WET/DRYの調整。
・リリースタイムをDAWやBPMにシンクロさせるスイッチ。
「コンプレッサーセクションについて」
レシオやアタックタイム、スレッショルド、リリースタイムの設定は、この4つのノブを使って操作する。
・スレッショルドノブ:0 ~ -48dB(デフォルトでは、-18dB)
・レシオノブ:1 ~ 50(デフォルトでは、3)
・アタックノブ:0.5 ~ 100ms(デフォルトでは、7ms)
「MIXノブを使ってパラレルコンプレッションを行う」
MIXノブを使用すると、コンプレッサーが掛かっている音と掛かっていない音の割合を調整できる。
元音とコンプが掛かった音を混ぜる際には、通常であれば「元音のみのトラック」と「コンプを使用したトラック」の2トラックを作成して混ぜる必要があるが、H-Compは、パラレルコンプレッションが1トラックで可能で、このMIXノブで行う。
・DRY:元音。
・WET:コンプが掛かった音。
この2つの割合を調整することでパラレルコンプレッションが可能。(デフォルトでは、WETが100%)
「Punchノブは、トランジェントシェイパー代わりとして使える」
コンプレッサーはアタックタイムを調節したり、上手に活用するとアタック感を自由にコントロールできるが、慣れていないとアタック感が潰れてしまいがちで、Punchノブを回すとコンプのアタックタイムに関わらず、圧縮される音の中からアタックを感じる部分だけ圧縮を開放してくれるという機能。
正確には、トランジェントシェイパーではないので、コンプが掛かっていない状態でPunchノブを上げても何も起こらない点に注意。
コンプと合わせることでアタック以外の音が潰れ、全体を持ち上げれば結果としてトランジェントシェイパーと同じ働きをする。
「Analogノブで倍音を足すことができる」
Analogノブを使うことで、真空管を通したときのような倍音を付加できる。
・OFF:何も変わらず。
・Analog1:第二倍音が少しだけ付加される&低周波ノイズが加わる。
・Analog2:第三倍音が少しだけ付加される。
・Analog3:第二倍音、第三倍音、第四倍音以上までかなり多めに加わって明らかに音の変化がわかるレベル。
・Analog4:やや控えめながら高次倍音まで広く加わっている。
倍音を付加すると、音の抜けが少しだけ悪くなることで、他のトラックと馴染みやすくなる。
音が鋭くてその音だけが目立ってしまうような場合は、倍音を付加することで軽減できる。
「リリースタイムのテンポシンクロスイッチ」
テンポシンクロスイッチを使えば、リリースタイムの設定方法を切り替えられる。
BPMの設定は、右下のディスプレイをクリックしたりスクロールして設定する。
その際、「Releaseノブ」を動かしても効果がないので注意。
・BPM:ユーザーが設定したBPMに合わせてリリースタイムをシンクロ。
・HOST:DAWのテンポに合わせて自動でリリースタイムをシンクロ。
・MS:RELEASEノブを使ってリリースタームをmsで手動設定。(デフォルト)
「OUTPUT GAIN」
OUTPUTノブでは、H-COMPから出力される最終音量を調節する。
「メーター表示の切り替え」
中央のメーター表示を切り替えることができる。
・IN:インプットレベル。
・GR:ゲインリダクション(圧縮量)。
・OUT:アウトプットレベル。
「リミッター機能のON/OFF」
ONにすることでピークを超えた音は、すべて平らに圧縮される。(デフォルトではOFF)